
学校長 青山直志(あおやま ただし)
令和7年4月1日、東京学芸大学附属大泉小学校長を拝命いたしました青山直志(ただし)、と申します。私は、都内公立小学校長を3校12年務めて参りました。この3月まで同じ練馬区の石神井西小学校長でありました。これまで教育管理職として培ってきましたものを余すことなく発揮し、本校の更なる発展のために力を尽くして参りたいと存じます。そして附属大泉小に常勤いたしますので、子どもたちと保護者の皆様、そして教職員とより深い信頼関係を築いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
東京学芸大学附属大泉小学校の歴史は、昭和13年(1938年)に東京府大泉師範学校附属小学校として開校した事に始まります。本校は昭和41年(1966年)から、ユネスコの「国際理解と国際協力のための教育」共同学校として研究を進め、昭和44年(1969年)には帰国児童教育学級を開設しました。現在は、第3学年から第6学年までの各学年に「ゆり組」という国際学級において、海外より来日・帰国した子どもたちが楽しく学んでいます。このように本校は半世紀にわたり国際教育に特色を持つ小学校として歩んでいます。そして今後は、国際学級と一般学級の子どもたちが互いに刺激し合って協同する環境をさらに豊かにし、世界の異なる文化を理解できるような学習の場を拡大することで、グローバル社会において将来活躍できる子どもたちの育成を目指しています。また、地域の学校とも連携しつつ、教育とその実践的研究活動を進めていくことも本校の使命だと考えています。
また、本校は公教育を担う小学校として、教科学習、総合的な学習、英語活動、心の学習(道徳)にも力を注いでおり、平成13〜15年度には文部省指定研究開発学校として、およそ10年にわたる実践的研究活動とその成果を発信してきました。今日ではそれらの研究成果を踏まえ、自分で考え、粘り強く取り組むことのできる子どもたちを健やかに育むことを目標として日々研鑽を重ねております。また平成29~32年度の4年間、文部科学省指定研究開発学校として、探究力を高める教育方法について検討を深めています。同時に、教員養成系大学附属学校の使命である教育実習を担当し、実習者が大学で学んだ教育理論と、子どもたちを前にした現場での生きた教育実践を結びつけることにより、次代を担う教育者の育成に携わっています。
本校ではまた、子どもたちが実物に触れる体験学習を重視しています。その1つの例として、子どもたちが春から一人一鉢の菊を育てるという菊作り活動を行っております。毎年秋になると子どもたちが懸命に育て上げた菊の花が学校を彩ります。この菊の花をシンボルとして、学舎を「きくの園」、子どもたちを「きくの子」と呼び、毎年11月には「きくまつり」を催して、互いが育てた菊の花を観賞したり、みんなで育てた野菜を料理し賞味したりすることでお互いの絆を深めています。さらに、「生活団」と呼ぶ、学年を縦割りにして組んだグループによる異学年の交流を通し、きくの子がみんなで学びあい、助け合う姿勢が自然に育まれる環境作りにも努めています。その他にも、新しい1年生を歓迎する和楽会、遠泳などを行う臨海学校、運動会、全校遠足、展覧会、音楽会などの数多くの行事は、本校の伝統ともなっている体験学習活動であり、こうした活動を通して健やかで、協調性に富んだ子どもを育成したいと考えております。